■音楽小説 「あれから」 作 伊
2010年1月6日□-------------------------------------------□ http://marry.ioi1.net/dt_premarri.html
■音楽小説 「あれから」 作 伊東和雄
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2008.10.15. 更新しました。
★ 音楽小説「あれから」を更新しました。
「あれから」のあらすじと本文を簡略に記載しました。
ビッグスターを目指す少年と少女の物語です。
スターを目指して毎日公園で歌う少年。
夢に向かって進む少年を見守る少女。
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■ 目 次
⇒ 1. 音楽小説 「あれから」 あらすじ
作 伊東和雄
2. 小説 「幸せがくる」 あらすじ
3. 小説 「うそつきのいない王国」 あらすじ
4. 短編 「いたずら雲さん」 短編物語
5. 小説 「涙のフォークボール」 あらすじ
■ 音楽小説「あれから」 あらすじ&本文
伊東和雄
1.少年は歌手を目指していた。
曲を作りいい作品ができると駅前、街角や公園で歌った。
少女はレストランを持つ夢を持っていた。
2.少年と少女は共に夢を持っていた。
二人は夢を語り合い互いを応援した。少女はいつも少年を見つめていた。
少年はやがて自分の夢ばかりを追いかけるようになった。
少女の小さな夢など気にしなくなった。少年は町を出て大きな都会に行った。
少年の夢はかなった。そして、三年が過ぎた。
ふと思った。少年は町に戻った。
あの通り、あの角、あの公園、あの店。
少年は少女を探した。もう少女はどこにもいなかった。
3.地方の小さな町の街角で少年はいつもギターを弾いていた。
公園でも弾いた。
少年は歌手を目指した。
ギターで歌いみんなを感動させたかった。
スターになりたかった。
少年の大きな夢だった。
自作の曲、歌が出来るとすぐ街角で歌った。
だが、誰も振り向いてくれなかった。
立ち止まる人もいなかった。
黙って通り過ぎるだけだった。
少女は小さなレストランで働いていた。
夕方と日曜日だけのアルバイトだ。
少女には夢があった。
小さなレストランでおいしい料理、飲み物、ケーキでみんなに喜んでもらいたい。
小さいけれど幸せなレストランを開きたい、と。
ある日少女が公園を通りかかった時に、噴水の前で少年が歌っていた。
最初は何をしているのかと思った。
少年の前には誰もいない。
一人で歌の練習でもしているのかと思った。
でも、観客の前で歌っているような歌い方だ。
あまり上手でない、と少女は最初思った。
しかし、必死で歌う少年にどこか心を魅かれた。
少女は木の陰からしばらく見ていた。
次の日も少年は歌っていた。
やはり誰も聞いている人はいなかった。
公園に入る人は少年の前を通るが誰も少年の歌に注目をしなかった。
少女は木の陰から眺めた。
今日の歌は昨日よりはいい歌だった。
少女は思わず拍手をした。
少年は驚いたような顔をして木に隠れるように立っている少女を見た。
うれしいのか驚いたのか少年はしばらく下を向いて歌った。
声が上ずった。コードも間違えた。
少年は途中で歌をやめた。
少女は近づいた。
少年は有難うと言った。
「ボクの歌に拍手をしてくれたのは君が最初だよ。」
少年はとてもうれしそうに言った。
「いつもこの公園で歌っているのね。」
少女が聞くと「そうだよ。ここはボクのライヴ・ハウスさ。」少年は自慢するように言った。
「すごいわ。」少女は感心した。
「歌手になるの?」少女は聞いた。
「そうだよ。」
少年はきっぱりと言った。
自分の夢を明確に持ち力強く進んで行こうとしている少年を見て少女は感心した。
「この公園に来る連中はジャガイモとニンジンばかりだ。」
少年は怒ったようにつぶやいた。
「ふふ、」少女は笑った。
少年は笑う少女を見て変な顔をした。
「ジャガイモやニンジンは大切よ。」
「???」
少年は少女が何を言っているのか分からなかった。
「いいジャガイモとニンジンがないとおいしいスープは出来ないわ。」
何を言ってるのだろうといった顔をして少女の顔をると少女はまた笑った。
「私も夢が有るの。私は小さなレストランを持ちたいの。そこでおいしいスープ、ステーキ、ムニエル、ケーキでお客さんに喜んでもらいたいの。」
少女は自分の夢を語った。
「へぇ、すごいな。」
少年は料理やケーキなどには興味がなかったので適当に相槌を打った。
「今ね、おじさんのレストランでバイトしているの、今度来てね。」
少女は時計を見た。
「バイトの時間だから行かなくちゃ、さようなら。」
少女は公園の森の奥へと去っていった。
公園の森の中に小さなレストランが有る。
少女はそこでアルバイトをしていた。
少年は歌い終わるとそのレストランに行ってみた。
少し離れた所からレストランを眺めた。
きれいな店だった。
あまり近づくといけないような気がして離れた所から頭をきょろきょろしながら眺めた。
しばらくしておそるおそる入り口に近づいてメニューを見た。
スープやビーフ・シチュー、ステーキ、ドリンクなどが並んでいた。
料金は高かった。
少年は見てはいけないものを見てしまったような気持ちになりそこを足早に去った。
4.少年はもっといいギターが欲しかった。
駅前の楽器店にいいギターが陳列されていた。だが、高かった。
バイトをしようと思ったが、小さな町なのでアルバイトを募集している会社はほとんどなかった。
工場なら多少募集はしていた。
以前工場でバイトをしていた。だがそこの作業で指を痛めた。
重いものを運んだり機械を操作したりするのでどうしても手や指が傷ついた。つめが折れたりした。指を怪我したらギターが弾けなくなる。
工場のバイトはやめた。
本当はCDショップか楽器店でバイトをしたかった。
しかし、どちらも募集はしてなかった。
少女のレストランでバイトを募集していた。
いつものように公園の噴水の近くで歌っていた。
少女がやってきた。
少年は少女に聞いた。「ね、君のレストランでバイトを募集しているの?」
「ええ、募集しているわ。人がいなくて困っているの。週に5日ほど働ける人、土日祝日できる人よ。お昼と夕方よ。誰かいい人いないかしら。」
少女は困ったように返事をした。
「僕ではだめかい?ギターを買いたいのでバイトをしたいんだ。」
「えっ、あなたが?」
少女はうれしそうに言った。しかし、すぐ顔を曇らせた。
「募集しているけどウエイターよ。経験ある?」
募集しているのは経験者だった。即戦力のバイトを募集しているのだった。
「やったことないけど、無理かなあ。一生懸命
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