ミサキの一発逆転!/石川ユウヤ
2010年8月22日http://cartoonnavi.com/
ミサキの一発逆転!/石川ユウヤ
ミサキの一発逆転! (MF文庫J (い-02-01))作者: 石川 ユウヤ出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2008/10メディア: 文庫
第4回MF文庫Jライトノベル新人賞、審査員特別賞受賞作。主人公・犬吠ミサキの通う音楽学院で、肖像画が引き裂かれる事件が起こる。犯人として疑われたのは、ミサキの友達・キリカ。その疑惑を晴らすために立ち上がったミサキは、次第に世界を揺るがすものに巻き込まれることに……。
そんな感じのお話ですが、とにかく「読みにくかった」と言うのが一番の感想。おそらく、この前に読んだ、『やってきたよ、ドルイドさん!』があまりに読みやすかったことが影響したのであって、私の読解力がなさ過ぎなのだとは思いたくない。多分、私の読解力のなさが原因なのでしょうが。
読みにくく感じた原因の一つが、地の文の読みにくさかな、と思う。ライトノベルの分かりやすい特徴として、一つの出来事を、回りくどい言い方で描くことがあげられると思うのですが、この作品、それが爆発しまくっている気がします。
物語自体「最初からクライマックスだぜ」状態なのも残念です。そのせいで話にメリハリがなく感じました。こちらが登場人物の把握ができる前に話がどんどん展開されて、よく分からないうちに読み進めていったので、分かりにくく感じたのかな、という感じがしました。始めに少し日常話を入れて、もっとキャラを深めておくべきだったと思う。特に、主人公とあの人は。
最後に、特に私がダメだった点。主人公の性格設定。時折、「可愛いかなぁ」と思う場面がないわけでもないのですが、基本的に独善的で自己中心的で、それが最後まで改善されなかったのは大きなマイナスでした。最後に、自分の傲慢さに気付いたような描写はあったのですが、結局最後まで自分の言いたいことを言いっぱなしで、相手のことを考えていない点は変わっていない気がして。終楽章(エピローグ)では、少し成長が見られたのは、救いですが。
と、「ああ、審査員特別賞だなぁ」という感じの作品でした。設定は考えてあると思う。ただ、それを上手に料理できていないの感じが。
あまりにだめ出しばかりしているので、良かったところも。清十郎と麻人の性格は、嫌いじゃない、ってところ。清十郎みたいな融通の利かない生真面目なバカはむしろ好きですし、我が侭自由人な麻人も、今回の程度では好きです。
もう一つ良かったところ。挿絵。これは非常にすばらしかった。絵は重要だな、と再確認しました。特に、最近絵につられてばかりの私にとっては。
次の巻も準備中の本作。でも、イラスト目的以外ではあまりおすすめできないです。と言いつつ、私は次の巻も買って読むのでしょうが。次の巻は、もっと面白くなっているといいなぁ。でも、今回の話の中心となったものは失われたのに、どうやって続ける気なのだろう。
ミサキの一発逆転!/石川ユウヤ
ミサキの一発逆転! (MF文庫J (い-02-01))作者: 石川 ユウヤ出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2008/10メディア: 文庫
第4回MF文庫Jライトノベル新人賞、審査員特別賞受賞作。主人公・犬吠ミサキの通う音楽学院で、肖像画が引き裂かれる事件が起こる。犯人として疑われたのは、ミサキの友達・キリカ。その疑惑を晴らすために立ち上がったミサキは、次第に世界を揺るがすものに巻き込まれることに……。
そんな感じのお話ですが、とにかく「読みにくかった」と言うのが一番の感想。おそらく、この前に読んだ、『やってきたよ、ドルイドさん!』があまりに読みやすかったことが影響したのであって、私の読解力がなさ過ぎなのだとは思いたくない。多分、私の読解力のなさが原因なのでしょうが。
読みにくく感じた原因の一つが、地の文の読みにくさかな、と思う。ライトノベルの分かりやすい特徴として、一つの出来事を、回りくどい言い方で描くことがあげられると思うのですが、この作品、それが爆発しまくっている気がします。
物語自体「最初からクライマックスだぜ」状態なのも残念です。そのせいで話にメリハリがなく感じました。こちらが登場人物の把握ができる前に話がどんどん展開されて、よく分からないうちに読み進めていったので、分かりにくく感じたのかな、という感じがしました。始めに少し日常話を入れて、もっとキャラを深めておくべきだったと思う。特に、主人公とあの人は。
最後に、特に私がダメだった点。主人公の性格設定。時折、「可愛いかなぁ」と思う場面がないわけでもないのですが、基本的に独善的で自己中心的で、それが最後まで改善されなかったのは大きなマイナスでした。最後に、自分の傲慢さに気付いたような描写はあったのですが、結局最後まで自分の言いたいことを言いっぱなしで、相手のことを考えていない点は変わっていない気がして。終楽章(エピローグ)では、少し成長が見られたのは、救いですが。
と、「ああ、審査員特別賞だなぁ」という感じの作品でした。設定は考えてあると思う。ただ、それを上手に料理できていないの感じが。
あまりにだめ出しばかりしているので、良かったところも。清十郎と麻人の性格は、嫌いじゃない、ってところ。清十郎みたいな融通の利かない生真面目なバカはむしろ好きですし、我が侭自由人な麻人も、今回の程度では好きです。
もう一つ良かったところ。挿絵。これは非常にすばらしかった。絵は重要だな、と再確認しました。特に、最近絵につられてばかりの私にとっては。
次の巻も準備中の本作。でも、イラスト目的以外ではあまりおすすめできないです。と言いつつ、私は次の巻も買って読むのでしょうが。次の巻は、もっと面白くなっているといいなぁ。でも、今回の話の中心となったものは失われたのに、どうやって続ける気なのだろう。
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